アパレルの大量廃棄の現状と環境への影響とは?今日からできる服の活かし方
まだ着られる服がなぜ捨てられてしまうのか?
ファストファッションやオンライン購入の普及により、アパレルはかつてないスピードで消費され、同時に大量の廃棄を生んでいます。
アパレル企業でも、ほぼ新品の服が廃棄に出されているのが現状です。
本記事では、日本と世界におけるアパレル廃棄の実態と、衣類の廃棄が環境に与える影響を解説し、一人ひとりができる廃棄削減のための行動を紹介します。
目次
アパレルの大量廃棄とは?まだ着られる服が捨てられる現状

アパレルの大量廃棄は、個人による服の処分だけでなく、メーカーによる売れ残りや返品の廃棄も加わったアパレル業界全体の課題です。
なぜ、着られる服が捨てられてしまうのか、アパレル産業の現状を解説します。
まだ着られる服が廃棄される理由とは?
廃棄される衣服の多くは、サイズやデザインが合わない、トレンドが過ぎた、在庫過多など、新品に近い服です。
特に、近年はファストファッションやオンラインショップの台頭により「安く、早く、大量に」衣服が生産され、消費と廃棄のサイクルを加速させています。
供給された服の9割が廃棄される現状
環境省の推計によると、日本で年間に供給される衣類は79.8万トン。
その9割にあたる73.1万トンの衣類が手放され、約7割が焼却や埋め立てにより廃棄されています(2022年)。
また世界では毎年9,200万トンの繊維廃棄物が排出され、アパレルの大量廃棄は地球規模の課題です。
参考:環境省「令和4年度循環型ファッションの推進方策に 関する調査業務」
参考:国連環境計画「2025年の国際廃棄物ゼロデーで焦点となる持続不可能なファッションと繊維」
売れ残りと返品が生む大量廃棄の仕組み
多くのアパレル店では、全シーズンの売れ残りや、セールでも売れなかった服は、ブランドの品位を守り、リユースや再セールによる値崩れを防ぐため、未使用のまま廃棄されます。
さらにオンラインショッピングの普及により、イメージ写真と実物のギャップから返品されるケースが後を絶ちません。
返品された服を再販するためには、検品・クリーニング・再梱包などのコストがかかるため、コスト効率を優先して廃棄するケースが見られます。
服を廃棄することが環境に与える3つの悪影響

大量の資源を利用して生産された衣類は、焼却や不適切な廃棄により、さらに環境に負荷をかけています。
正しく服を手放すには、アパレルの廃棄による環境課題を理解することが重要です。
Tシャツ1枚の製造にも莫大な環境負荷
1枚の衣服を作るのにどのくらいの資源が使用されるか知っていますか?
Tシャツ1枚を製造するには約2,700リットルの水(一人が家庭内で使う9日分の水量)が消費されます。
水の大量消費だけでなく、綿花の栽培には農薬や殺虫剤が使用され、染色や縫製といった工程ではCO2が排出されます。
1着の衣服が私たちの手元に届くまでに、様々な環境コストがかかっているのです。
服の焼却が生む大気汚染
廃棄に出された衣類、特にポリエステルやナイロンなどの合成繊維を含む衣類を燃やすと、二酸化炭素だけでなくダイオキシンなどの有害物質が発生するリスクもあります。
また焼却施設の運転にも膨大なエネルギーが必要であり、CO2排出量をさらに押し上げているのが現状です。
古着の海外輸出と不法投棄のリスク
NPO法人やリユース企業を通じて回収された古着の一部は、東南アジアや発展途上国へと輸出されています。
しかし、現地では衣類の選別や洗濯、加工など作業コストがかかることもあり、適切にリユースされず不法投棄されることも少なくありません。
不法投棄された古着の山が土壌汚染や景観悪化の原因にもなっています。
今日からできる!アパレルの廃棄を減らす選択肢

アパレルの廃棄を減らすために、私たちができることは、長く着れる服を選ぶことと、リユースやリサイクルできる回収先に引き渡すことです。
企業や自治体の回収サービスを活用することで、より手軽に衣服を再利用できます。
古着として新しい持ち主へリユース
サイズが合わなくなった、トレンドが変わってしまったなど、まだ着られるのに手放したい服は、フリマアプリやリサイクルショップでリユースしましょう。
フリマアプリなら、自分で値段をつけることができ、ブランド品や状態の良い服も納得して手放すことができます。
手軽にできる店舗や自治体回収
大手アパレル企業や多くの自治体では古着回収サービスを実施しており、持ち込まれた古着はリユースやリサイクルされます。
リサイクルでは、古着を糸に加工し衣服へと再生産したり、フェルトや断熱材など別の形に加工したりすることで、新たな資源として生まれ変わります。
買い物のついでに回収拠点へ持ち込むだけで参加できるため、忙しい人でも取り組みやすい方法です。
長く着られる服の選び方
着なくなった服を、環境に負荷をかけない方法で手放すことも大切ですが、長く着られる服を選ぶことも大切です。
縫製が丁寧で素材がしっかりしている服や、シンプルで流行に左右されにくい服を数着持つだけで、トレンドの服も着回しやすくなります。
また、洗濯表示を守り適切なケアを心がけ、服の寿命を延ばすことも可能です。リペアサービスやアップサイクルに対応するブランドも増えており、長く着る文化が広まりつつあります。
まとめ|アパレルの廃棄を減らすために今できること
ファストファッションの流行や、アパレル企業によるブランドイメージの保守により、まだ着られる状態の服も廃棄されているのが現状です。
世界で年間9,200万トンの衣類が廃棄され、資源の大量消費や環境汚染といった深刻な問題を引き起こしています。
限りある資源や地球環境を守るためには、一人ひとりが今までの選択を変えることが重要です。
リユースやリサイクルに取り組む回収サービスを利用したり、長く着られる服の選び方を意識したり誰にでも簡単に始められます。
今ある服を大切に着ることが、サスティナブルな一歩となります。