3Rとは違うアップサイクルされた服とは?日本で買えるブランドも紹介

衣類の新しい再利用法として、注目されているのがアップサイクルです。衣類の大量廃棄を防ぐ方法として挙げられるアップサイクルですが、その内容を知らない人は多いのではないでしょうか。アップサイクル品は環境に配慮しているだけでなく、独自のデザインが楽しめるアイテムです。
この記事では、アップサイクルされた服の魅力と注目ブランドをご紹介します。環境問題の取り組みとして重要と言われていた、リサイクルやリユースとの違いもおさえると、自分の行動に自信が持てるようになります。
既存の商品の魅力を残したまま、異なるアイテムに作り変えるアップサイクル品で、環境問題の取り組みに貢献しましょう。
目次
アップサイクルはなぜ注目されている?服の3Rとの違いも解説

世界にはたくさんの廃棄されているものがあります。廃棄品を減らし、持続可能な社会を作るための手段として注目されているのが、アップサイクルです。SDGsの達成に重要なポイントであるアップサイクルについて、従来の3Rとの違いも含めて解説します。
服のアップサイクルとは
アップサイクルとは、既存のアイテムのデザインの力を借りて商品価値を加えたリサイクルのことです。
創造的再利用とも表現されるアップサイクルは、使わなくなった製品にデザイン性や機能性をプラスし、さらに価値の高い製品を生み出します。アップサイクルされた服の例として、デニムをポーチに変えたり、大人用の服を子供用に変えたりするものがあります。
SDGsや資源枯渇防止の観点から、ファッション業界だけでなく家具や建材、食品といったさまざまな分野で注目されています。
従来の3Rと何が違う?
3Rとは、Reduce (削減)、Reuse (再利用)、Recycle (再資源化)の頭文字をとった言葉です。3Rとアップサイクルには、以下のような違いがあります。
・Reduce (削減):廃棄物そのものを減らす
・Reuse (再利用):廃棄せずに、そのままの形で繰り返し使い続ける
・Recycle (再資源化):製品化されたものを素材に戻して、新たな原料や製品として再利用する
・アップサイクル:製品に新しいデザインを加えて、違うアイテムに変える
資源に戻してから再利用するリサイクルは、再資源化にコストが必要です。リサイクルするよりも新しくアイテムを作った方が、コストが低くなるケースも少なくありません。
反面、アップサイクルは再資源化などをせず、製品の形を変えて再利用するので、大幅なコスト削減が可能になっています。
アップサイクルの事例
アップサイクルは服や生地の切れ端、デッドストック以外にも、さまざまなものを利用した新しい製品が生み出されています。
ANAでも、アップサイクルプロジェクトを実施しています。その第一弾として発表されたのが、ルームシューズでした。廃棄予定だった飛行旅客席のシートカバーを利用した取り組みです。そのほかにも、ANA整備士の作業着を作り変えて、バッグなどを販売しています。
衣類の再利用だけでなく、食品を生地や染料にして再利用するなど、さまざまなアプローチが行われています。
購入者・環境にメリットが!アップサイクルされた服の3つの魅力

アップサイクルのアイテムには、環境へのメリットが大きいですが、それだけでは購入したいと思えないかもしれません。実は、消費者の私たちが欲しくなるアップサイクルされた服やアイテムの魅力があります。
服の廃棄による環境問題を解決できる
服のアップサイクルは、世界が抱えている衣服の廃棄問題を解決できる取り組みです。
2022年度の衣服の廃棄は47万トンであると環境省から発表されており、その95%が再利用されずに処分されているのが現状です。
アップサイクルは廃棄される衣服を減らすだけでなく、リサイクル以上に資源の消費を抑えるコストダウンの施策として、世界中で注目されています。
参照:環境省「令和4年度循環型ファッションの推進方策に 関する調査業務 -マテリアルフロー-」
一点もののデザインの服が着られる
アップサイクルは既存のものから、異なるアイテムに作り変えます。そのため、できあがる製品はオリジナリティーのある一点ものが多いのです。
例えば、着物を作り変えて日本の伝統的な柄や素材を活かした個性的な服や、ネクタイを作り変えた独創的なデザインのパンツなど、デザインはどれも個性的です。
違うデザインの衣類を利用するこの方法では、同じものが作れないため、常にユニークな作品が生まれます。他の人が持っていないアイテムを楽しみたい方や独創性の高いファッションをしたい方に、おすすめです。
サステナブルな活動が個人でできる
アップリサイクルされた服を購入すると、ファストファッションの過剰消費を抑え、個人レベルでもサステナブルな活動ができます。
消費者庁が行ったサステナブルファッションに関する意識(令和3年7月時点)で、約8割の人が環境に優しい具体的な取り組みをできていないことがわかっています。環境問題の解決やサステナブルな活動は、敷居が高いと感じる方がいるのも原因かもしれません。
しかし、アップサイクルされた服やアイテムを選べば、個人でもサステナブルな活動につながります。
アップサイクルされた服はどこで購入する?注目のブランドを紹介

アップサイクルされた服を購入したいと思っても、大手のネット通販や店舗には売っていないでしょう。日本でアップサイクルされた服を売っているブランドがあります。アップサイクルブランドの商品を購入する方法と、注目のブランドを知って、日常生活にオリジナルのアイテムを取り入れてみましょう。
着物や帯をアップサイクル|Relier81
Relier81(ルリエ エイト ワン)は、2018年に京都で設立されたブランドです。着物や帯を再利用したアイテムを展開し、有名ブランドとのコラボレーションなど実績も豊富です。
Relier81のアイテムは、オンラインショップで購入できます。イベントで一部商品を販売することもあります。
公式サイト:https://relier81.com/
公式Instagram:https://www.instagram.com/relier81_kyoto/
残糸や残布を活用|RYE TENDER
RYE TENDER(ライ テンダー)は、2020年設立のブランドです。生産過程で不要になった糸や生地を利用して、ニット生地のアイテムを展開しています。
RYE TENDERのアイテムは、オンラインショップで購入可能です。公式Instagramで不定期の参加イベントを発表しています。
公式サイト:https://ryetender.com/
公式Instagram:https://www.instagram.com/rye_tender/
日本の伝統を生かす|N’s1182
N’s1182は、日本の伝統織物である西陣織を利用したブランドです。2020年の設立以降、西陣織の美しいデザインを残しながら、現代に馴染むアイテムを展開しています。
N’s1182のアイテムを購入できる機会は、現在では展示会などのイベントに限られています。オンラインショップも公開予定ですが、オープン日は未定です。
公式サイト:https://ns1182.com/
公式Instagram:https://www.instagram.com/ns1182jp/
まとめ|アップサイクルされた服で個人で環境問題に取り組もう!
アップサイクルは服の廃棄量を抑え、リサイクルよりも環境の負担が少ない資源の再活用法です。
アパレル業界では、衣類の大量廃棄が環境問題になっています。アップサイクル品の購入は、個人でも参加しやすい環境問題への取り組みです。アップサイクルされた服やアイテムは、世界に1つだけしかないため、個性的なファッションを楽しめます。
入手方法はオンラインショップが基本です。SNSやメルマガを利用して、新作やイベント参加の情報を発信しています。気になるブランドがあれば、積極的にフォローしてアップサイクル品を購入してみましょう。