古着の染み抜きは自宅でできる!丁寧なメンテナンスで愛着ある1着を育てよう

お気に入りの古着にシミがある場合、自分で落としたいけれど失敗したらどうしよう…と悩む人は多いでしょう。特に、年代物の古着屋特殊な素材の場合、間違った方法でお手入れをすると着られなくなってしまうかもしれません。
ダメージを受けやすい古着でも適切な方法を選べば、自宅できれいにケアできる可能性があります。
今回は、古着の染み抜き方法や、シミの原因、古着を長く楽しむためのヒントをご紹介します。適切なケアは、古着を長く愛用できるだけでなく、環境保護にもつながるのです。
目次
古着の染み抜きの前に知っておきたい!古着の特徴やシミの原因

自分で古着の染み抜きを行う場合、間違った方法では大切な衣類を傷める原因になります。染み抜きの実践の前に、正しいケアをするための基礎知識をおさえておきましょう。
古着の間違ったお手入れは傷みの原因に
独特な風合いが魅力の古着。しかし、繊細なつくりや経年劣化があるため、新品の洋服と同じ方法でケアをすると、色落ちや縮みなどダメージを与える可能性があります。
古着の特性を理解し、正しい方法でケアすることが大切です。適切なケアを行えば、大切なアイテムを傷つけたりダメにしてしまう失敗を防げます。
古着のシミの原因
古着のシミは、次の原因で発生します。
・汗や皮脂汚れ(酸化によるシミ)
・食べこぼしや飲み物(水性・油性のシミ)
・長期保存によるシミ(カビやサビ)
古着につくシミは、日常生活でできるものや、手入れや保管の仕方が原因となるものなど様々です。シミの種類に応じて適切な対処法を選ぶと、きれいに落とすことが可能です。
衣類を傷めないメンテナンス方法
ガンコなシミ汚れは、つい強くこすってしまうものですが、こすり洗いはNGです。古着は生地が弱っている場合が多く、色落ちや傷みの原因になります。
素材によっては、ホームケアが難しい場合もあります。染み抜き前に、洋服のタグでお手入れ方法を確認しましょう。
自宅でできる古着の染み抜き方法…やさしくケアするコツ

古着の染み抜きは適切な方法で行うと、衣類を傷めずにきれいに仕上げられます。シミの種類や衣類の素材別に、自宅にあるもので簡単にできる染み抜き方法をご紹介します。
シミ・汚れの種類別お手入れ方法
シミの原因や種類に適した染み抜き方法により、シミをきれいに落とすことができます。自宅にあるものでできる簡単なケア方法をご紹介します。
【汗や皮脂汚れ(酸化によるシミ)】
①食器用中性洗剤をシミ部分につけて40℃前後のお湯でやさしくもみ洗いし、すすぐ
②お湯と液体洗剤を入れた洗面器に2~3時間ほどつけ置き後、洗濯機で洗う
〈落ちない場合〉
酸素系漂白剤を40〜60℃のお湯に入れ、半日ほどつけ置き後、洗濯機で洗う
【食べこぼしや飲み物(水性・油性のシミ)】
水性のシミ(しょうゆや飲み物など)
①洋服の下にタオルを敷き、食器用中性洗剤をシミ部分につけ、歯ブラシで軽く叩く
②水ですすぐ
油性のシミ(油分を含む食品、化粧品など)
①クレンジングオイルをシミに染み込ませ、やさしく揉み洗い
②40℃のお湯で濁りがなくなるまですすぐ
【長期保存によるシミ(カビやサビ)】
①酸素系漂白剤をシミの部分に直接つけ、10〜15分ほど放置
②ぬるま湯でしっかりすすぐ
アイテム別お手入れの注意点
アイテムごとに素材やデザインが異なるため、染み抜きの方法も少しずつ工夫が必要です。ここでは代表的な古着アイテム別の染み抜き方法を紹介します。
■Tシャツ・パーカー
比較的丈夫な素材でできているため、ホームケアがしやすいです。しかし、シミが長期間残っていると酸化しやすいため、早めに対処しましょう。
①水性汚れには食器用中性洗剤を、油性汚れにはクレンジングオイルをシミ部分に塗布し、軽く揉み込む
②40℃前後のお湯でやさしく洗い、すすぐ
③汚れが落ちない場合は、酸素系漂白剤を使用し、つけ置きする
■デニム
高温の水で洗うと縮む原因になります。色落ちを予防するには、冷たい水で洗いましょう。
①裏返して流水で予洗い後、食器用中性洗剤でやさしく揉み洗い
②流水でよくすすぐ
生地の特徴を知って丁寧なケアを
ダメージ防止のため、素材の特徴を知り、それぞれに応じたケアが大切です。ここでは、素材ごとのケア方法をご紹介します。
■シルク
おしゃれ着用洗剤を入れた水に5分ほどつけ置き、柔らかい布で叩いて汚れを落とす。シルクはデリケートなため、事前に洗濯可能か確認を。
■ウール
「水洗い不可」以外は自宅での染み抜きが可能。タオルに乗せ、薄めた中性洗剤をつけた歯ブラシで軽く叩く。タオルで水分を吸い取る。
■リネンや麻
タオルの上に置き、シミに台所用洗剤を塗り、綿棒でやさしく叩く。水ですすいで軽く絞る。型崩れしやすい素材のため、タオルに包み、タオルごとやさしく押さえて水分を吸収させるとよい。
■ポリエステル
タオルの上に置き、台所用洗剤をつけた歯ブラシで軽く叩いた後、水ですすぐ。ポリエステル以外の繊維も混ざっている場合があるため、事前にタグを確認する。
参考:宅配クリーニング プレミアム「もうシミ抜きで失敗しない!生地の素材に合わせたシミ抜き方法」
古着を長く楽しむために|染み抜きとあわせて行いたいお手入れ

日常的に正しいケアをすると、お気に入りの古着を長く楽しめます。古着の染み抜きとともに、普段から心がけるべきケア方法を確認しましょう。古着を大切にすると、環境問題にも貢献でき、サステナブルな生活を実現できます。
日常のケアと保管方法
できてしまったシミのケアも重要ですが、日常のケアでシミの発生を予防することも大切です。
着用後の衣類には、汗や皮脂、汚れが付着しています。これらは目に見えませんが、時間が経つと酸化し、黄ばみやシミの原因に。
洗濯やクリーニングで蓄積した汚れをきれいに落としてから保管しましょう。カビの発生を抑えるため、通気性の良い場所で保管することが重要です。
自宅でのケアが難しい場合はクリーニングへ
「ドライクリーニングのみ」や「水洗い不可」のタグがついている場合は、クリーニングに出しましょう。シルクやウールなどのデリケートな素材は、特に注意して取り扱わなくてはいけません。
またヴィンテージ品は、より慎重な対応が必要です。メンテナンスについては、繊細な作りや経年劣化をよく理解しているヴィンテージ品専門のお店に相談すると安心です。
環境問題を知りサスティナブルな選択を
ファッション業界では、多くの環境問題が指摘されています。大量生産・大量消費による資源の消費増大や、プラスチック繊維を使用した衣類が引き起こすマイクロプラスチック問題などがその一例です。
古着を大切にすると、資源の無駄遣いを減らし、環境保護に貢献できます。手入れをしながら長く大切に着ることで、洋服への愛着も深まるでしょう。
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まとめ|古着の染み抜きや適切なケアで長くファッションを楽しもう
古着の染み抜きは、通常の方法では衣類を傷めてしまうおそれがあります。そのため、古着の特性や素材の特徴を理解し、シミの原因に応じた対処が必要です。
メンテナンス方法を正しく理解すれば、お気に入りの衣類を自宅できれいにすることも可能です。古着を長く楽しむことは、環境にやさしいだけでなく、世界にひとつだけの一着をもっと好きになることにもつながります。
普段からていねいなケアを心がけ、大切な一着への愛着をより深めていきましょう。