古着のビジネスチャンスは海外にも!輸出できる国や方法・注意点を紹介

近年、アパレル業界の環境汚染が問題になっていることや持続可能な社会の構築のため、古着の海外輸出ビジネスも注目されています。
古着の海外への輸出額は年々、増加傾向にあり急速に成長しています。特に、主な輸出先となっている東南アジアや中国では日本の古着の需要が高く、更なる事業拡大も期待できるでしょう。
しかし、海外輸出は国内販売よりもハードルが高く感じるものです。今回は古着の海外輸出ビジネスを考えている方に、輸出するメリットや注意点などをわかりやすく解説します。
目次
古着は海外で需要がある?輸出が盛んな国や輸入禁止国を解説

日本の古着は品質や状態が良いものが多く、海外でも人気が高いため輸出ビジネスは今後も拡大していくと考えられています。まずはどの国を対象に古着の輸出ビジネスが行われているかみていきましょう。
古着の輸出が増えている理由
古着市場は世界的な物価高やサスティナブルファッションへの関心の高まりから急激に成長しています。特に、日本の古着は体型が似ている東南アジアや中国、韓国で人気が高く、輸出国のほとんどがアジア圏となっています。
さらに、国内でのウエス需要が低下していることもあり、日本の古着・古布の選別が次々と東南アジアに移転していることも古着の輸出が増えている大きな理由の1つです。
参考:環境省「中古衣類を対象とした海外でのリユース実態調査」
古着の買取価格が高い国
日本の輸出相手国の中でもカンボジア、タイ、シンガポールは特に高値で取引されています。これらの国で高値で取引される背景として、日本国内で細かく選別が行われた後、中古衣類として販売できる状態で輸出されていることが考えられます。
また、日本からの輸出量が最も多いマレーシアは、全世界からの輸入量のうち半分以上が日本からの輸入となっています。
古着の輸入が禁止されている国に注意
日本で古着の輸出は禁止ではありませんが、受け入れ先の国によっては輸入禁止や規制があるので注意しましょう。
<古着の輸入禁止の国>
・ウガンダ
・フィリピン
・インドネシア
・中国
・エジプトなど
<古着の輸入規制がある国>
・バングラディシュ
・マレーシア
・アイスランドなど
規制がある国では、ぼろ布など衣類として機能しないものを規制している場合があります。輸出する前には必ず相手国の輸入禁止品目や規制品目を確認しましょう。
スムーズな取り引きのために…古着の集め方や海外に輸出する方法

古着の海外輸出ビジネスを始めるためには、古着の集め方と海外への輸出の仕方の選択が非常に重要です。スムーズに取引を行うためにも、自社に合った方法を考えましょう。
輸出する古着の集め方
自社で古着を集めようと考えているなら、まずは社内寄付や店舗などに服の回収ボックスを設置してみてはいかがでしょうか。古着がどのように活用されるかわかると安心して寄付することができるため、輸出する旨を記載しておくことと良いでしょう。
もしアパレル関連の事業を行っているなら、自社の在庫とそのまま輸出する方法もあります。
ECサイトを利用して輸出する方法
世界におけるEC市場規模は年々増加傾向にあり国際取引の拡大も進んでいます。なかでもアパレル製品は越境ECでの需要が最も高いです。
日本ではあまり馴染みがないかも知れませんが、外国では越境ECを利用した購買活動はとても盛んです。また、越境アパレルECサイトも様々な種類があり、サイトを上手に選ぶことで中小企業や個人でも世界中へ商品を販売することが可能になるのです。
古着輸出業者と協力する方法もある
古着輸出業者と協力する最大のメリットは輸送や通関の手続きのサポートを受けることができ、知識がなくてもスムーズに事業展開が行えることです。
また輸出業者は現地市場の情報も持っているため、現地ニーズに応じた商品提案や販売戦略にも役立ちます。輸出業者と協力体制を築くことでさらなる市場への進出やビジネスの効率化を目指せるでしょう。
古着を海外に輸出するビジネスを拡大するために知りたい注意点

古着の海外輸出ビジネスを始めるためにはいくつか注意点もあります。ビジネスをスムーズに行うためにも以下の3点を確認しましょう。
回収した古着の点検を行う
回収した古着は、衣類としてリサイクルできるかしっかりと確認しましょう。商品として輸出できないものがあると、取引に影響してしまうので注意が必要です。
ボロボロな服であったり、皮革の衣類などは輸入を規制している国もあるので、信頼して取引をしてもらうためにも、点検は必要な作業です。
古物商許可を取得する
日本国内の中古品を海外へ輸出する場合は、古物商許可を取得しなければなりません。無許可で運営してしまうと厳しい罰則が課されるため、必ず許可がおりてからビジネスを開始しましょう。
古物商の許可をとるためには、警察署に必要書類を提出して審査を通る必要があります。必要書類は申請者の状況によって異なるため、警察署や行政書士に相談してみましょう。
輸出先のニーズを把握する
輸出先のニーズに合ったものを提供できないとビジネスとして成り立ちません。気候や体型にあった服を選択することや、古着を売る市場や選別工場があるかをリサーチすることも重要です。
また、発展途上国の中には世界中から古着が届きすぎて困っている国も存在します。本当に必要なものを届けるために相手国の現状をしっかりと把握することが大切です。
まとめ|古着を海外に輸出してビジネスチャンスを拡大しよう
古着の海外輸出ビジネスは、世界のサステイナビリティへの関心や越境ECの拡大によって新たなビジネスチャンスとなっています。
日本の古着は質や状態が良いものが多く、海外でも人気が高いです。古着の販売を考えている方は国内だけでなく海外への輸出も検討してみてはいかがでしょうか。