昨今、古着ブームやサスティナブルファッションが注目されているため、古着の販売や回収を行う企業も増えてきました。

古着の販売や回収のメリットとして、環境問題への取り組みをアピールできる点が挙げられます。自社でも古着の販売や回収を行いたいが、どのように取り組むべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

古着のメリットを活かしながら、環境問題へ配慮した取り組みにはどのようなものがあるか考えていきましょう。

古着のメリットを生かす!環境問題に取り組む姿勢をアピールしよう

古着の販売や回収は、世界的な環境問題である服の大量生産・大量廃棄を防ぐ取り組みの1つとして日本でも注目されています。古着のメリットを生かした環境問題の取り組みについてみていきましょう。

環境問題に取り組む企業が注目されている

近年、リサイクル業だけでなく、アパレル企業でも環境問題への取り組みを実施している企業が注目されています。

例えば、大手ファッションブランドのユニクロは店内に古着の回収ボックスを設置し、回収した古着を難民キャンプへの寄付や、燃料やリサイクル素材に活用しています。

また、シンプルなデザインが人気の無印良品では回収した古着を染め直したり、洗いなおしたりして新たに生まれ変わった服として展開しています。

衣類の新たな生産を防ぐ

古着を扱うことによって、新たな服の生産を防げます。服の製造過程では多くのCO2が排出されるのです。また、原料となる植物の栽培や染色などには大量の水が必要な上に、生産過程で余った生地は廃棄物として処理されます。

服を1着作るにも多くの資源が必要となるため、大量生産がされている今、環境負荷はとても大きくなっているのです。

服の廃棄を防ぐ

古着は生産における環境問題を解決するだけでなく、廃棄を防ぐという点でもメリットが大きいです。

服は製造だけでなく、廃棄する場合も多くの環境問題を引き起こします。日本で廃棄している服は、年間45万トン。現在捨てられた服の95%はそのまま焼却・埋め立て処分されています。

古着を活用することは大量生産・大量廃棄の両方の観点からの環境問題に配慮した取り組みになるのです。

アパレル企業が古着販売をするメリットと環境に配慮した始め方

アパレル企業は服の扱いにも慣れているので、古着販売を始めやすくメリットも大きいです。古着の特性を生かすためにも、環境に配慮して始めてみましょう。

服の知識や市場調査を生かせる

アパレル企業は衣料の生産や販売に精通しているため、古着販売は比較的取り組みやすいです。今まで培ってきた服の知識や市場調査を活かし、より多くの人に繋がる販売方法やリサイクル方法を実現できるでしょう。

自社のお客様の層が求めている古着のあり方を追及することで、オリジナルの古着の活用ができるのではないでしょうか。

環境問題に取り組む仕入れ先をみつける

古着のメリットである環境問題への取り組みをアピールするためには、仕入れ先も慎重に選びましょう

もし、古着の仕入れ・販売を考えるなら、仕入先も重要となります。ただ安いだけで仕入先を選ぶと、不用品ばかりで売れるものがないなどのトラブルにもなりかねません。

仕入れ先がどのようなことに取り組んでいるか、しっかりリサーチした上で信頼できる業者を見つけることが成功への近道です。

CO2排出量が少ない配送方法を選ぶ

環境問題への取り組みをアピールするなら、配送方法にもこだわりましょう。運送業もCO2の排出が地球温暖化に影響するなど環境問題になっているため、さまざまな企業が環境問題への取り組みを行っています。

例えば、ヤマトホールディングスは2050年温室効果ガス(GHG)自社排出実質ゼロ、2030年にGHG自社排出48%削減を目標にしているそうです。具体的には電気自動車や太陽光発電設備の導入、再生可能エネルギーの活用を70%までに向上するなどの取り組みを行っています。

参考:サステナブル中期計画2023 (2023年目標) ~ヤマトグループのサステナブル経営改革~

効果的に古着を売る方法は?メリットを活用して環境へ配慮するには

環境に配慮した古着の販売を成功させるには以下の3つのことが大切です。

1.ターゲットを絞る

2.梱包資材への配慮

3.ファッション例の発信

詳しくみていきましょう。

ターゲットを絞る

古着を販売するには、まずターゲットを明確にしましょう。古着は年齢層によっては抵抗がある方も少なくありません。特に年齢があがるにつれて、古着に抵抗がある傾向があります。

古着はSDGsに関心の高い若い年代に人気です。また、服の流行は繰り返されるため、20年〜30年前の服が若い世代の間で人気となり、古着が注目されることも。

古着販売のターゲットを絞るなら若い世代を中心に考えると良いでしょう。

梱包資材にも配慮が必要

古着のメリットを生かして環境問題への取り組みをアピールするなら、梱包資材にもこだわりましょう。過剰包装はごみの排出量を増やす原因になります。さらにプラスチック製の袋は石油などの限りある資源からできているのです。

環境に配慮した梱包をするなら、再生紙を利用した梱包資材の利用や包装の簡易化にも努めましょう。余計なものを使わないシンプルな梱包は、古着の環境への優しさや風合いを引き出してくれるのでぜひ取り入れてみてください。

個性的なファッション例を発信する

SNSなどで古着の魅力が伝わるようなファッションを発信することも効果的です。

古着の最大のメリットは、独特な風合いを持ち、人とかぶらない個性的なファッションを楽しめることです。その分「コーディネートが難しい」「着こなせるか心配」という方も少なくありません。

SNSなどを通じて古着の着方や魅力を発信すると、古着に興味を持っている若者世代にアピールすることができます。

まとめ|古着のメリットを生かすと企業レベルで環境問題に取り組める

古着のメリットを生かしながら販売すると、環境問題への取り組みを企業レベルで考えられます

ファッション業界が及ぼす環境問題は、世界的にも大きな問題となっています。古着の活用は大量生産・大量廃棄を防ぐことができる、環境へのメリットが大きい事業です。

さらに、古着のメリットは環境問題だけでなく、ファッションの楽しみ方を広げることにも繋がります。古着の魅力を活かして、新しいファッションの楽しみ方を提案しましょう。